こんにちは。親子3世帯で住友林業の家、32歳でマイホームを新築した宝矢みつおです。
- BF構法の弱点や欠点はあるの?
- 寒さについては?断熱性は高い?
- 評判は実際のところどうなの?
設計自由度の高さが特長の、特許技術である住友林業メイン構法「ビッグフレーム構法(BF構法)」。
強みは理解できても、弱点や欠点までは見えづらいのではないでしょうか。
そこで今回は、BF構法の弱点や欠点を深掘りしつつ、評判を総括していきます。

宝矢みつお(家づくりブロガー)
親子3世帯で住友林業の家、22年10月にマイホームを新築。計20年以上を住友林業の家に住む経験と培った知識を活かし、家づくりに役立つ情報を発信します。
BF構法の特徴をおさらい
住友林業の特許技術「ビッグフレーム構法(BF構法)」について、まずはおさらいしましょう。
ビッグフレーム構法とは

「BF構法」は、2005年2⽉に発売した当社オリジナル構法で、⽇本初の⽊質梁勝ちラーメン構造として特許を取得しています。
引用元: 住友林業
BF構法は、耐力壁の代わりにビッグコラムと呼ばれる太い柱を採用し、接合部の金物同士を直接接合することで強靭な構造躯体を実現する住友林業のオリジナル構法です。
2005年の販売開始から現在に至るまで、今なお根強い人気を誇る看板商品です。

BF構法の木材は?
BF構法の構造材は「オウシュウアカマツ集成材」となり、ヒノキなど国産木材ではありません。
外国産の木材が使われていますが、オウシュウアカマツは非常に強度の高い腐りにくい木材です。
ちなみに、オプションで国産ヒノキに変更ができますが、施工担当いわく「価格が上がる」のと「強度が下がる」ことから選ぶ方はほとんどいないようです。

BF構法の価格・坪単価
ビッグフレーム構法(BF構法)の価格は、坪単価およそ85~110万円となっています。(2023年6月現在)
ちなみに、もうひとつ別の工法である「マルチバランス構法(MB構法)」との価格差は坪単価およそ5〜10万円です。
坪単価あたり約5〜10万円ほど
MB構法より価格が高くなる理由としては、オリジナル構法であるため開発コストが掛かっていることと、競合が少ないことが理由です。
また、「建売=MB構法・注文住宅=BF構法」が主となっており、ローコストにできる建売でBF構法があまりないことも要因と考えられます。
ただし、各メーカーで競争が活発化していることもあり、値引きで価格を抑えることは十分可能です◎

BF構法の強み・特長
・ビッグコラム柱による高い耐震性
・自由度の高い間取りが実現可能
・大開口で解放感ある空間を作れる
通し柱を必要としない「梁勝ち構造」のため間取り・設計の自由度が高く、垂れ壁が不要にできることで⼤開⼝・⼤空間にできるといった特長があります。
例えば、「上下階で柱位置が異なる間取り設計」にできたり、「間口が狭い間取りでも採光や通風の確保」が可能です。
2012年のマイナーチェンジでは、従来の特長に加えて耐震性や設計⾃由度が向上され提案⼒が強化されています。

BF構法の弱点・欠点
- 価格がやや高い
- できない間取り設計もある
- 他社でリフォームできない場合がある
BF構法の弱点や欠点といったデメリット面を深掘りします。
価格がやや高い
BF構法は、木造建築ながら鉄骨造クラスの坪単価とややお高めです。
また、BF構法と似た特徴をもつ他の構法と比べても価格差があります。
価格だけだと他も魅力ですが、営業担当の印象や無垢床の質感など総合的に判断した上で、我が家は住友林業にお願いしています。
ちなみに私自身は、上記3構法の中でBF構法が一番空間が広く感じました。
どの構法も「間取り自由度」や「空間の広さ」が売りなので、展示場などで実際に確かめてみると良いですよ◎

できない間取り設計もある
自由度が強みのBF構法にもできない間取り設計が実はあります。
設計段階ではビッグコラム柱を自由に移動できますが、以下の場合はできません。
・コラムにスイッチコンセントを設置
・建具やエアコン配管が柱に干渉する場合
・耐震性を損なうビッグコラムの移動
とはいえ、ビッグコラム柱の移動でほぼ解決できるので、あまり問題視する必要はないです。
かなり手を加えた我が家でもできないケースは基本なかったですし、あった際も代替案でばっちり解決できましたよ◎

他社でリフォームできない場合がある
BF構法は型式認定を受けたオリジナル構法のため、他社でリフォームが難しい場合があります。
型式認定は特許のようなもので、他社では構造計算ができず、建築確認許可が降りないことが理由です。
住友林業以外に競合がいなくなるので、リフォーム相場よりも高くつく懸念点もでてきます。
型式認定構法をもつメーカー全てにいえることですが、「リフォームのしやすさ」を謳うだけに残念な点ではあります。

BF構法は寒いの?
BF構法は寒いの? という疑問については、寒くないといえます。
・断熱性の高い構造材と断熱材を使用
・壁だけでなく天井や床まで隙間なく断熱
・熱の逃げやすい窓も高い断熱性能
というのも、BF構法に用いられる『360°TRIPULE断熱』は、住宅の断熱性能を示す断熱等性能等級「最高等級4」です。
「360゜TRIPLE断熱」の特徴
夏涼しく、冬暖かく、省エネルギー性能を高めた住まいです。外気に面している部分に高性能の断熱材、断熱性に優れる木の構造材、窓を組み合わせしっかり断熱することで高い性能を確保します。
引用元: 住友林業
断熱性を数値化したUA値についても「0.41」と、ZEH+の基準値を超える非常に高い断熱性能となっています。(参照元: 住友林業)
ただし、断熱性を最重視する場合には気密性を高める対策をとっても良いかもです。
・FIX窓など気密性の高い構造にする
・コンセント位置を部屋側に配置する
・トリプル窓など高断熱窓にする
高断熱=高気密でもあるので、気密性が高められると断熱性も向上できます。
もともと断熱性・気密性が高いので特に対策不要でありますが、寒がり体質な方は一度検討してみてください◎

BF構法の評判
BF構法の評判を、実際に建てた私の所感をいれつつ、3つの強みにフォーカスし総評していきます。
結論としては、弱点や欠点を凌駕するほどお値段以上の魅力があります◎
耐震性
耐震性については公式データからもわかるとおり、「耐震等級3」と最高評価で申し分ない性能です。
住宅にはその性能を表す住宅性能表示制度があります。その中でも地震への強さを表す「耐震等級」において、最高評価の耐震等級3は避難所などの防災拠点並みの強さ。住友林業の家はもちろん耐震等級3。
引用元: 住友林業
弱点となる接合部についても、高層ビルと同じ「剛接合」を採用し建物の傾きを抑えることができます◎
高い耐震性は、ビッグコラム柱と強靭な構造躯体によって実現されてますが、しっかり実証実験も行われています。

東日本大震災クラスである震度7の揺れを何度も加えても余力を残すレベルですのでシンプルに安心できる耐震性です。

間取り自由度
間取り自由度については、できない間取りがなかったこともあり特に満足しています。
一部できない仕様もありましたが、代替案ですべて解決できたので全く問題にしていません。
できない間取り設計はどの構法でも起こりえますが、住友林業は提案力でしっかりカバーしてもらえますよ◎


大開口・大空間
大開口・大空間についても満足ですが、2階・3階建ての場合のみ過大評価は禁物です。
BF構法のポテンシャルが高いとはいえ、「標準の天井高2.4m」では物足りなさを感じるかもしれないからです。

天井高を上げる場合はオプション費用となり、コストも高いので現実的な解決策ではありません。
ちなみに、我が家は下記の方法でコストを大きく上げることなく満足のいく空間にできました。
・床材を窓側に沿って配置する
・できるだけ部屋を仕切らない
・梁あらわし仕上げにする
床材の配置や部屋を仕切らない工夫をすれば、コストをかけずに広く見せることができます。

「梁あらわし仕上げ」はスポットで天井高を上げる形になるので、天井全体を上げるよりコストを抑えられます。
2階・3階建ての場合は、平家のように屋根形状で空間を活かすことはできませんが、工夫ひとつで広く見せることができます◎

まとめ
住友林業のメリット特長から弱点や欠点を深掘りしました。
ビッグコラムが優秀すぎるのか、冗談抜きで空間を広く感じることができます。
価格面など多少のデメリットはあれど、お値段以上の魅力があることは間違いありません。
弱点を妥協できるほど魅力が上回ったので、我が家はBF構法にしましたし実際に建ててからも大満足です◎
